芸術文化
各ミュージアムには17世紀から現代に至る幅広い美術工芸品の収蔵品がある。各家で代々受け継がれてきたこれらの文化遺産はこの地域の歴史文化を体現している。
芸術
絵画
江戸・京都・大阪など中央の美術が多く残っているだけでなく、堀江友聲など、地元に根ざし優れた画力を持つ画家の作品も多い。
陶器
出雲地方を代表する楽山焼、布志名焼は、高麗、萩、京都、薩摩など他地域の焼き物の影響を受けながら発達した。
漆器
小島漆壺斎、勝軍木庵など、松平不昧好みの作品が残る。小島漆壺斎は現代まで続く。
木工
松平不昧好みの作品を多く作った小林如泥は、釘を使わずに木を繋ぐ指物や繊細な透かし彫りなどの技巧に極めて秀でた。
民藝
陶器、金属器、布類、漆器など、地元の作家によって作られた作品が残る。
刀剣と武具
伝わってきた鎧や刀には、祖先が実際に用いたものと、「苗字帯刀」を表現するため、本陣でのもてなしに使うために揃えられたものがある。
日常の道具
江戸〜昭和初期にかけて、日常的に使われていた道具類を見ることができる。
茶の湯の美術
松平不昧公が茶の湯を好んだため、茶の湯に関する道具が多く残る。茶の湯では、書画、花、香などで部屋をととのえ、食事と茶を楽しむために、様々な日本文化と日本工芸が組み合わせて用いられている。
文化
出雲式庭園
出雲式庭園の特徴は、短冊石と石臼が配置されていることなどにある。
たたら製鉄
日本の中で、現在までたたら製鉄が行われている唯一の地域である。
本陣
江戸時代、大名や家来が藩内を移動する場合、各地区の富裕な家々が宿泊施設として家を提供するよう命じられていた。
出雲大社
出雲地方は中央から離れているが、古くから多くの人々が訪れ、上質な文化が育まれてきた。その理由の大きな一つは、出雲大社が太古の昔より日本国内で特別な神社とされていたからだと考えられる。
松平不昧(1751-1818)
大名として藩の財政を建て直しつつ、茶の湯を好み、当時の著名な作家だけでなく出雲の職人にも好みの作品を多く作らせ、多くの職人を育成した。